落語「文七元結」を聞く

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NHK 大河ドラマ「いだてん」第16回にて、森山未來さん演じる美濃部孝蔵が浜松の留置場で牢名主に落語「文七元結(ぶんしちもっとい)」を披露していた。「文七元結」の落語をこれまで聞いたことがなかったけれど、十八世中村勘三郎さん主演のシネマ歌舞伎「人情噺文七元結」や、歌舞伎の舞台で観ているので、ストーリーは知っている。知った噺が出てくると、見え方が変わってくる。「いだてん」は落語を知っていると一層楽しめるドラマだ。

「富久」「たらちね」と簡単にまとめてきたので、「文七元結」についても調べてみた。

作者:幕末から明治に活躍した初代三遊亭圓朝。

あらすじ:本所達磨横町に住む左官の長兵衛は、腕は立つが無類のばくち好き。年の瀬のある日、ばくちで負けた長兵衛が家へ帰ってくると、娘のお久がいなくなったと女房のお兼が泣いている。そこへ、吉原の女郎屋「角海老」(演者により「佐野槌」)から使いが来て、お久が角海老にいるとのこと。お金を工面するために身を売りたいと、お久が女将に頼み込んでいた。長兵衛が角海老へ行くと、来年の大晦日まではお久は店に出さず預かるという約束で、女将が五十両を貸す。長兵衛が帰り道に吾妻橋に差し掛かると、身投げをしようとする男がいた。白銀町のべっ甲問屋「近江屋」の奉公人(文七)で、あるお屋敷から集金した帰りに五十両をすられたため、死んでお詫びをしようとしていた。長兵衛は文七に五十両を押し付ける。文七が店へ帰ると、文七が先方で碁に夢中になり、忘れてきたお金は既に届けられていた。文七は吾妻橋での出来事を近江屋主人卯兵衛に話す。翌日、卯兵衛は文七を連れて長兵衛の長屋へ行き、ひと悶着の末に五十両を返す。近江屋は長兵衛と親戚付き合いがしたいので、文七を養子にと申し出る。固めの盃の肴にと、近江屋に身請けされたお久が帰って来た。後に文七とお久は夫婦になり、近江屋からのれん分けして元結屋を開いたという、おめでたい話。

実際の落語を聞いてみたくて、Amazon Music Unlimited に入っていないか検索してみたところ、「富久」と同じく柳亭市馬さんの演じる「文七元結」が入っていた。収録時間は約50分。以前、歌舞伎の舞台を観たことがあるためか、情景がありありと浮かんできた。

文七元結は青空文庫にも収録されている。圓朝さんの落語を速記したものとのこと。

これを読むと、長兵衛が借りたのは五十両ではなく百両になっている。そういえば、「いだてん」でも百両だった。

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